日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2024年1月8日わかりやすい話をするためにPREP法を活用しよう


★話の構成を考える


皆さんは、(もっとわかりやすい話ができたらいいのになぁ)と思われたことはありませんか?

特にビジネスでの会話では、端的にわかりやすい話ができれば、仕事の効率も上がるし、他の人からも評価されやすくなります。

では、わかりやすい話をするためには、どうすれば良いのでしょうか。

それには、当たり前のことですが、話の構成を事前に考えることが効果的です。

特にビジネスでは、論理的に話す能力は必須です。

そのためには、話の構成を考えることが必要です。

そして、その効果的な方法として、PREP法というものがあります。

今回は、このPREP法による話の組み立て方について解説します。

 



★PREP法の概要


PREP法とは、話を次の様に構成するフレームワークです。

① 結論(Point)
② 理由(Reason)
③ 具体例(Example)
④ 結論(Point)

以下、それぞれの項目について簡単に解説していきます。

 
◆最初に結論を言う

まず最初に①結論を短い言葉で話します。

「結論から先に言おう」という言葉はよく耳にします。

結論を先に言うと、相手は話の主旨を理解できるので、その後の説明などが格段に聞きやすくなります。

PREP法もこの効果を取り入れています。

 
◆結論の根拠を述べる

次にその結論に到った②理由(根拠)を話します。

実は、私たちはビジネスで会話をする場合でも、主張や結論の理由(根拠)を言わないことがとても多いのです。

しかし、私たちは理由を言わない他人の発言を聞いても、理由を言っていないことにはほとんど気付きません。

それは、話を聞きながら(多分こういう理由なんだろうな)と、自分なりに勝手に理由を推測して聞いているからです。

しかし、その理由が話をしている人が考えている理由と一致しているとは限らないので、後々、話をしていて認識がずれることもあります。

そうなると、話を元に戻したり、改めて理由を確認するやり取りをしたりせねばなりません。

コミュニケーションの効率性が失われる要因になりますので、結論の理由(根拠)はきちんと話すべきなのです。


◆具体例を話す

次に、③具体例を話します。

私たちは、話をしていて、(この人の話、よくわからないなぁ)と思う場合、その多くは話が抽象的であることが原因です。

話を聞きながら、頭の中で話の内容がイメージできるなら、その話は具体的=わかりやすいと言えます。

イメージができない話は、抽象的=分かりにくい話なのです。

話を具体的にするには、具体例を示すことがとても効果的です。

そのためPREP法でも③具体例を述べることを重視しているのです。

 
◆結論を繰り返す

そして、最後に④結論を繰り返します。

最後に結論を繰り返すことで、聞いている人に言いたいことをしっかりと理解してもらえます。

また、話を聞いているうちに結論を忘れてしまう人にも結論をきちんと認識してもらえる、という効果もあります。


★PREP法の例


PREP法の構成は理解していただけたと思いますので、その使用例をご紹介しましょう。

 

ある会社の人事部門の責任者が今期の社員教育方針を伝える場面を想定しましょう。

その際の話の骨子の例です。

①結論:自分で考えて動く社員を育成したい
②理由:若手社員は「指示待ち人間」になっており、このままでは我が社は世の中の変化に対応できず、時代に取り残されて潰れてしまう
③具体例:ある若手社員に訪問記録を書くよう注意したところ、「上司からそういう指示は 受けていない」と言われ、とてもショックだった
④結論:だから、私は自分で考えて動く社員を育成したい

そして、この骨子に沿って役員会で話す場合の例を次に示します。

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今期の方針として、『自分で考えて動く社員の育成』に力を注ぎます。

我が社のマネジャー層はベテラン社員で、皆、仕事に精通しています。
そのため、部下に対して自分の言ったとおりにやるようにと指示することが大半です。
その結果、部下である若手社員の多くはいわゆる『指示待ち人間』になっています。

先日、ある若手社員が取引先の訪問記録を全く書かないので注意したところ、「えっ、上司からそういう指示は 受けていませんけど」という返事が返ってきました。
会社のルールも上司に言われないとやらない。
なぜ訪問記録を書くのか、ということを考えもしない。
自分で考えない社員ばかりでは、我が社は世の中の変化に対応できず、時代に取り残されて潰れてしまいます。
我々にはそういう強い危機感があります。
今後、自分で考えて動く社員を育成するために、マネジャー層が部下に考えさせるような指導ができるよう、研修を実施します。
また、考えて行動する人を評価する人事評価制度にこの1年以内に変更します。

以上、今期は『自分で考えて動く社員の育成』に最も力を注ぎます。

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いかがでしょうか?

論旨がスッキリしていてわかりやすい話になっていると思います。

ぜひ話をする際は、PREP法で整理をしてから話してみてください。


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